志賀高原ツーリング |

熱中症など、自分には無縁で有ろうと思っていたある日その足が動かない。
正確に言うならば動きはするが、背中に重荷を背負って居るかの
ように思いどおりに動かない。
これが熱中症かと初めて自覚したのだが、中々引かない頭痛に三日後のクラブツーが気にかかる。
この時点で愛車の旧タイプR69Sは本調子などとは程遠く、中々合わない電気位置に毎晩努力はするものの5分も経つと滴る汗に戦意は消え失せ、エアコンにビールといった根性の欠けらも無い素人整備士である私は、23日の集合まで二日しかない。
仕事などしている場合か「体調を戻すのだ」「バイクを治すのだ」とばかりに仕事の日程を変更。中々上手くは行かないが、身体もバイクもどうにか帰ってこれそうな感じには成って来た。
8月23日
早朝、関越道・高坂SAに向かった。
このところクラブツーに最近あまり参加出来なかったので、見慣れた顔が懐かしい。こう言ったクラブ員との交流は、バイクを間に挟んだ損得抜きの間柄が実に心地よい。



高坂SAに集合組の者たちのそれぞれの挨拶が済んだ頃、次の集合場所である石打SAに向け出発前に軽い挨拶、点呼すると、ナナハン・ライダーT氏の声が無い。

以前より好意にして頂き、ただ者ではないとは思っていたが、あたふた考えていた自分とは肝の座り方が違う。
大好きなナナハン・ライダーさんとは、その後・宿で再開を果たす事となった。


ツーレポではあえて、Kさんを敬愛を込めてK柴さんと呼ばさせて頂く事にしよう。
今回のメンバーを見てみるとサイドカーでご夫婦参加の方数組、お孫さんを連れての方など、ほのぼのとした団体である。
そういう事も有って、天気は特に心配されるところでは、有ったがK柴さん=雨男の方程式は奥様の参加で雨男に対するゼロの掛け算が成り立つようで、夜には天の川まで見える始末。
この場を借りてK柴さんの奥さんに感謝の意を送らせて頂くと同時に、もしK柴さんだけだったらと思うと最近の列島を襲う豪雨を連想し背筋が凍る思いで有る。
30人からの山田牧場を目指す旅団は、その人数の多さ、バイクの多さから給油、トイレなどのタイミングは難しいものだ。

給油で多少停車時間が有ったものの、秋山郷への道すがら昼食のおにぎりを受け取り、昼食場所の秋山郷・小赤沢温泉に出発。

丁度、12時ころ小赤沢温泉楽養館に到着!!



「入って見ると中々いい湯ではないか」鉄分を豊富に含み弱塩泉と言った処だろうか。

K柴さんよ、いい湯だが体か怠くなっちゃってと~言いたい所を、美味しい握り飯で口をふさぐあたり中々やってくれるではないか。


もっとも握り飯もさることながら、持ち込みの「ぬか漬け」がヒットで私は人参を特に頂いた。
きっとK柴さんの奥さんが毎日丹精されたものと想像しつつ頂いたが、夜、宴会後の2次会で、ぬかを混ぜているのはK柴さん本人だと言うではないか!
夜な夜な暗闇の中でナマハゲが壺の中をかき混ぜている光景が根の前に浮かび複雑な気持ちに成ったの言うまでもない。
舗装された長い林道を深い谷間の対岸の山などを眺めながら快適に通過する。

程なく気が付くと眼下に大きな庭のような感じで牧草の生え揃ったスキー場が見えて来た、山田牧場である。

私はここは初めてではない。10年ぐらい前に成るだろうか、やはりK柴さんの案内でここ長野県・山田牧場「レッドウッドイン」を訪ねている。その時、私はGSで行ったが、宿の前の道は地雷のようにそっちこっちに牛糞が落ちており、心ならずも幾糞かを踏んでしまった思い出がある。
その時は、運(ウン)が付いて良いのではないかと自分を慰めたが付いたのはやはり糞だけだったのだと今更ながらきずく。今回はそのテツは踏むまいと心に誓っていたが牛も礼儀を知ってか草を食うのに忙しいのか、道路には糞が無い!広い駐車場も出来ていて誠に綺麗でこの上もない。

無事にレッドウッドインに到着し荷物を下すと同時にビール願望が沸々と湧いてくる、缶ビールを探すがビールの自販機が無い! 何処にも無い!
イケメンの宿のスタッフの方を見つけ自販機の場所を聞くと、「それは有りません!」とあり得ない返事!
ああ・・悲しみよこんにちは幸せよさようなら・・
カラスの鳴声が山に消えていく中、微かに遠くから、ハートランドならありますよと聞こえた気がした。おお・・若いの!これだよ・これでいいんだよ。
早速頂くことにしたが、ちなみにキリンとか、アサヒとか、サッポロとか無いの・・?と聞くと「有りません!」ときっぱり。
まあ~いいさ、おいくら?と聞くと700円です、とスタッフ。
一時は居なくなったカラスが、値段の高さに驚き、また遠くで鳴いた気がしたが、ここは良いことにしようと心に決めた。
テラスでそのビールを頂く、・・美味い・・遠くの斜面で草を食う牛を眺めながら何も考えない空っぽの時間を過ごす。そして何よりも涼しい・・。
ビールをもう一本とも思ったが、このビール一本が牛丼二杯にあたると考えると、手が動かなく成ってしまう性が私にはある。
いけない・・もっと心を空っぽにしなければいけない!!
万座温泉に似た泉質の露天風呂はその場の空気の心地良さと相待って長湯をするのに丁度いい。
▼アメリカの国立公園セコイヤナショナルパークから輸入した樹齢1650年、直径5メートルの巨木。それを幾多の困難を乗り越えてその木を日本に運び、内装のいたる所に使用し、75センチの梁や、太い幹を丸ごと使った直径3.2メートルの露天風呂にして造られたのがレッドウッドインだ。

山の中の宿とはいえ工夫の見えるシャレた料理とうまい酒にボルテージは自然と上がり食べるのと笑うのと忙しく、今日一日の充実さが見えるようである。

無いかと思われた二次会もやっぱり行われ同室させて頂いているK柴さんと顔を出させて頂いた。
何時もの男どもだけと違い今回は奥様達が居られたせいか、家庭の茶の間のような感じがして新鮮だった。
思いのほか天気が良く星空の綺麗なこと、先月行った雫石のあたりも星空がキレイで天の川がはっきりみえたが、こちらもどうして中々綺麗に天の川が確認出来た。ただ違うのは、天の川の星空に、紳士・淑女の大笑いが銀河の彼方まで響いて居たことだ。

一日ではあるが、つかの間の暑さから解放された。この夜は、この涼しさこそ一番の御馳走だ。
キチンと布団をカブって寝られるのは一ヶ月半振りではないだろうか。
(今年も下界は暑い!!)
8月24日
朝起きて見ると、何人かバイクのところでうろついていた。自分ので有れ、他人ので有れバイクの話では尽きることのないようだ。
朝ご飯を終え会計を済ませた後、集合写真で挨拶解散となる。

トラブルを抱えたバイクも何台か有ったようだが致命的と言うものは一台も無く、楽しいクラブツーリングだった。
今回のレポート 会員No16 千葉在住 鈴木・
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